水を飲まずにいると起こる身体の変化【TED-Ed】英語で学ぶ

水を飲まずにいると起こる身体の変化【TED-Ed】英語で学ぶ
水を飲まなかったらどうなる?―ミーア・ナカムッリ

再生時間:4分51秒
スピーキング速度:(遅い)★★★☆☆(早い)
英単語難易度:(簡単)★★★★☆(難しい)
※本記事の一番下に、この動画で出てくる英単語一覧とその意味を載せています。

身体の内での水のはたらき

人間の体の55~60%は水でできています。
実は赤ちゃんのときはもっと多くて、体の75%程度が水と言われています。(だから赤ちゃんの肌はもちもちなんですね。)
ただし1歳を過ぎるころには体の水分量は65%程度に減るそうです。

私たちの体における水の働きとしては以下のことが挙げられます。

  • 関節のクッション材や潤滑材として働く
  • 体温を制御する
  • 脳や脊髄に栄養を送る

体内の水は血液だけではありません。
実は脳や心臓も、4分の3は水でできています。
水分量としてはバナナと同じくらいらしいです。
肺の水分量は83%でリンゴと近いらしいです。
そして、堅そうな骨でさえ31%が水といいます。

水を飲まないとどうなる?

私たちは1日に2~3リットルの水を、『汗、おしっこ、排便、呼吸』として体外に排出しています。
なので、その失われた分を外から摂取する必要があるのです。

それでは、もし水を飲まなかったらどうなるのか?

まず最初に、脳の視床下部と呼ばれる領域が水分不足を感じとり、抗利尿ホルモンというものを分泌するよう信号を出します。
その心臓が腎臓に届くと、腎臓でアクアポリンと呼ばれるたんぱく質を作ります。
アクアポリンがあると、血液中に水分を再吸収・保持してくれるので、水分が体外に排出されるのを防いでくれます。
その結果として、水を飲んでないといつもより濃い尿が出るようになるのです。

ちなみに2003年に、このアクアポリンに関する研究でアメリカのピーター・アグレ教授にノーベル化学賞が授与されています。
(参考サイト:i-H2O INTELLIGENTRY DESIGNED WATER)

脱水状態がさらに続くと、

  • 体力がなくなる
  • 気分が落ち込む
  • 肌の乾燥
  • 血圧の低下
  • 認識能力の低下


といった症状が発現します。

また、脳の水分量が少なくなると、脳にかかる負担が大きくなり、しかも脳が一時的に収縮してしまうのです(!)←怖いですね・・・

やっぱり水を飲まないと、体に悪いんですね。
たまに水をほとんど取らない人を見かけますが、そんな人は注意してくださいね!

水を飲みすぎてもダメ!-低ナトリウム血症

一方、水を飲みすぎるのも体には危険なようです。
短時間のうちに水を過剰摂取すると、『低ナトリウム血症』とよばれる症状を引き起こします。

体内の水が不足しているときは、脳は抗利尿ホルモンをたくさん分泌しますが、水分量が過剰な場合にはその分泌を抑えるか、もしくは完全にストップしてしまいます。
水分量が多くなると、体内の『ナトリウム濃度』が薄くなってきます。

このナトリウム、体内においては結構重要なようで、この濃度が薄くなると『水中毒』になってしまうのです。
水中毒の症状としては、

  • 頭痛
  • 嘔吐
  • けいれん

などがあげられ、最悪の場合、死に至るケースもあります。

以上のように、あまりにも水を過剰摂取しすぎても体に危険が及ぶみたいです。
それでは1日の水分摂取量はどれくらいが望ましいのでしょうか?

1日に飲むべき水の量

昔から言われているのは、1日にコップ8杯の水を飲むのがいいそうです。
ただし現在では研究が進み、最適な水分量は個々人の体重や周りの環境によって異なることが分かってきました。

男性の場合には1日2.5~3.7リットル女性の場合には1日2~2.7リットルが望ましい水分摂取量のようです。
ただしこの値自体も、個々人の健康具合、運動量、年齢、そして周囲の温度により変わってきます。

また実際には水そのものでなくても、お茶やコーヒーでも水分補給にはなります。
そして1日のうちに摂取する食べ物からも、水分は吸収されます。(1日の5分の1は食べ物から吸収する水分)

適切な水分を摂取することは、健康にもメリットがあります。
例えば、

  • 脳卒中のリスクを低下させる
  • 糖尿病になりづらい
  • ガンの発生を抑える


などなどです。

やっぱり水って私たちの健康状態に大きくかかわってるんですね。

まとめ

いかがでしたか?
今回の記事で、水の取りすぎや不足が体にどのような悪影響をもたらすかが分かったと思います。
健康でいるためにも、適切な水分量を心がけるようにしましょう!

もし今回の内容の詳細が気になったり、英語で聞いてみたいと思った方はぜひページトップのTED-Edの動画を見てください!
今回の動画に出てくる英単語も下記に載せてあるので、先に確認しておいてから動画を見るとより理解しやすいですよ!

***動画に出てくる英単語***

  • virtually:事実上
  • lubricate:潤滑
  • spinal code:脊髄
  • lung:肺
  • urine:尿
  • bowel:腸
  • dehydration:脱水
  • hypothalamus:視床下部(脳の一部の領域)
  • antidiuretic hormone:抗利尿ホルモン
  • kidney:腎臓
  • aquaporin:アクアポリン
  • impairment:減損
  • hyponatremia:低ナトリウム血症
  • amp up:促進する
  • sodium:ナトリウム
  • electrolyte:電解質
  • swell:ふくらむ
  • intoxication:中毒
  • vomiting:嘔吐
  • seizure:脳卒中
  • imbibe:摂取
  • hydrator:水和物
  • replenish:補完
  • cucumber:きゅうり
  • stroke:心臓発作
  • diabete:糖尿病